総評 「 動 き 」 は 語 る
去る12月4日(日)、第46回級段位審査会が無事終了しました。
いつもの第2武道場と違い、今回は第2競技場で行われ、天井も高く、広い会場での審査でした。
審査会が始まったときは、いつもと違う解放感はこの会場のせいかな・・・、と思いましたが、やがて、受審者の皆さん一人一人から出ている空気に気がつきました。
1部の最後の講評で、「はじめの座禅の姿勢が、とてもキレイでした」と言いましたが、後で思い出してみるとそれは、姿勢がキレイというより、「姿勢が明るかった」という表現がピッタリです。
そしてその空気は、動きに入っても変わらず、一人一人一生懸命やっているのに伸び伸びとしていて、見ていて心が和む審査でした。
2部になると、いろいろ気をつけたいポイントも増えてくるとは思いますが、確かにきちんとは動いてはいても、何かが重く、こもっている感じがしました。
この空気はどこから来るのでしょうか。
中上級者ともなると、普段のレッスンでも、初級者より様々な課題を持ってレッスンをしていると思います。中には、課題に沿ってレッスンをすること自体に慣れてしまっている場合もあるかもしれませんが。
「そのレッスンと、審査会で動くときと、どちらが真剣ですか?」
「もちろん両方とも真剣です」と答える人が多いと思います。
では、普段のレッスンと審査会の違いはなんでしょう?
同じ真剣であるにしても、自分の課題は普段のレッスンでしっかり練習し、審査会ではそういうことは忘れて、気持ちを思い切り外に開いて伸び伸び動いてみる。
そういう臨み方が、現在の自分の段階を見てもらうことになるのではないでしょうか。
凡そ、気をつけてやってできている動きは、身についていない動きであり、そこから勢いは感じられません。
「話し方」に例えるなら、皆さんの動きは、「独り言」のような動きになっていませんか?
審査会では、広い会場で、多くの人の前で、「もっと大きな声で伸び伸びと語って欲しい」のです。
それが審査会の醍醐味であり、そこに解放されたエネルギーこそが、皆さん一人一人の更なる力を育んでいくでしょう。
リズミック・カンフー創師 岸 俊和

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